木造技能者育成検討委員会の概要

木造技能者育成検討委員会の目的

 2010年までの国勢調査によると、15~19歳の新規入職者が2000年までは1万人を超えていたものが、2010年は2,150人にまで減少した。また、15~19歳の新規入職者の減少を補ってきた1万人以上いた20~24歳の新規入職者も2010年には4,868人になった。加えて、25~29歳までの離職者は3,006人に上り10代の新規入職者を上回り、働き盛りであるはずの40~59歳までの離職率が、軒並み10%近く上昇している。逆に60歳を過ぎた離職率は下がり、大工総数は1980年の43%に減少しているのに、70歳以上の大工職は1.7倍に増え、超高齢化が起こっている。
 こうした、木造住宅の大工職の減少を食い止めるためには、若年入職者を増やし、早期離職者を減少させなくてはならない。そのためには、今日の住宅生産システムに見合った新時代の大工像とその将来像の提示が、現在の大工職が納得できるかたちで必要である。加えて、大工職が保持する技術・能力を正当に評価し、その評価に見合った仕事内容により適正な所得が得られる環境づくりも、同時に構築して行かねばならない。
 新築住宅や既存住宅のリフォームにおいて、良質な住宅ストックを今後も適正に形成して行くためには、こうした大工技能者の減少に対し、上記のような新しい大工技能者の環境を整備・構築して行かなくてはならないが、その方向性を木造住宅業界全体で議論し見出すことを目的として、H25~H27年度の間、木造技能者育成検討委員会を開催し検討した。

木造技能者育成検討委員会

委員長 藤澤 好一 芝浦工業大学名誉教授
委 員 青木 宏之 一般社団法人 JBN 会長(~H25)
委 員 鈴木 貴雄 一般社団法人 JBN 技能者育成担当理事(H26~)
委 員 秋山 哲一 東洋大学 理工学部建築学科/教授(H26~)
委 員 磯崎 芳之 一般社団法人 日本木造住宅産業協会 特命部長
委 員 小川 拓也 全国建設労働組合総連合 住宅対策部長(~H25)
委 員 小倉 範之 全国建設労働組合総連合 技術対策部長(H26~)
委 員 蟹沢 宏剛 芝浦工業大学 建築工学科/教授
委 員 熊川 三興 一般社団法人 全国住宅産業地域活性化協議会 代表理事
委 員 志田 隆秀 公益財団法人 建築技術普及センター 理事
委 員 玉野 茂男 一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会 事業部長
委 員 山本 常美 一般社団法人 全国中小建築工事業団体連合会 技術専門委員(~H26)
委 員 中嶌 達郎 一般社団法人 全国中小建築工事業団体連合会 技術専門委員(H27~)